経済・政治・国際

2014年8月28日 (木)

リーダー論⑤

5.ノーブレス・オブリュージュ

日本語で訳すと「貴人の責務」。即ち、地位が高い人ほどその重責と義務を負うということである。これは貴族の言葉で、欧州の貴族は戦争となれば、まず先陣を切って国家のために戦うことを義務となした。上に立つ者が、その義務を放擲してしまえば、その国家は滅びる。これは企業にも当然当てはまる。

企業人は「法律に触れていなければ何をしてもいいのか?」ということを考えておかなくてはならない。権力者には、法律を超えた「倫理」が求められ、地位を利用して得たものは賄賂と考えるべきである。そのような姿勢は、下の者が良く見ている。

貴人の責務を実践した人

渋沢栄一「片手に論語、片手にソロバン」

天谷直弘(電通総研元社長)

野淵三治(日本ガイシ元社長)

大星公二(NTTドコモ初代社長)

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2014年8月27日 (水)

リーダー論

1.      権力の自制

権力を信じ、かつ疑うという姿勢が良きリーダーを生むのである。この二律背反を生き切ることがリーダーである。

社長を長くしていると、反対意見が憎らしくなる、そして排除へ動く。これが権力の魔物である。トップは孤独であり、最後は自分が決断する故に、自分と似た考えの者を重用する。これが結果、秘書室、管理部門の肥大化、自己増殖。これが組織の癌となり、腐らせるのである。

権力が正しく作用するために、

   コンプライアンス(罰則付き)

   労働組合

   社外重役(広く外部の目)を入れることが有用である。     

特に中小企業は社外重役は稀であるが、「商店」から「企業組織」へ脱皮し、永続する企業へはこのような存在が入ることが大切である。社外の目が入ることで、上も下も緊張感が出る。議論が活発になるなどの効用が出る。

神へ祈る

これは宗教ではないが、やはり自己の判断が正しくあれと人智を超越したものに祈る謙虚さは大切である。自信を持つことは大事、しかし過信は敵である。自己が万能と勘違いしたときから、そのような心が消えてしまう。

中條高徳「神への祈りが究極のボトムアップ」

池田勇人は閣議中、合掌をしていた。

速水優「神よ、変えることができるものには変える勇気を、変えることのできないものには受け入れる冷静を下さい。そして変えることができることとできないことを識別する知恵をください」(ニーバ)の言葉を机に置いていた。

橋本徹 キリストを拠り所にして、「住専国会」を全国銀行協会会長として乗り切った。

リーダーも自分の判断、決断が完璧ではない。人間を超えたものを敬う気持ちを忘れると狐付き状態や盲目的な権力者になる。

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2014年8月26日 (火)

リーダー論

1.      権威と権力は違う

えらそう、と偉いの違い

権力は地位につく、権威は人につく

権力依存は、虎の威を借る狐になりかねない。

権威を高めたいなら逆説的だが、権力の乱用を抑えることである。過去の名財界人はそのような覚悟を持っていた。

石坂泰三(東芝)、木川田一隆(東京電力)、諸井虔(太平洋セメント)、平岩外四(東京電力)、土光敏夫(東芝)

反対に権力依存で来た人間は、最後は失墜する。磯田一郎(住友銀行)中内功(ダイエー)などは好例。

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2014年8月25日 (月)

リーダー論

1.      人間的魅力

これだけは付け焼刃では身に付けられないものである。知性は本を覚え、格言を言えばそれなりに格好はつくが。その人の人生観、生き方が出てくるものである。またどのような教育を受けてきたのか、囲まれてきた友人、家族、師、などの影響も多大である。

最高の魅力とは→「飽きがこない」人間。あたかも美味しい食事、酒、美術品のようなもの。

高碕達之助「2代目は1に紳士、2にケチ、3にビジョンなし、4に人間不信、5に度胸なし」

呂新吾の人物鑑賞

   大事難事に担当を見る

   逆境順境に襟度を見る

   臨喜臨怒に涵養を見る

   郡行群止に識見を見る

困難において、人の耐性の力量がわかる。逆境、順境の身の処し方で度量がわかる。喜怒哀楽の中で教養がわかる。集団の中で正しい判断ができるかの見識がわかる。

人に気に入られる資質を可愛げというが、これはなかなか万人に備わっている資質ではない。歴史的には豊臣秀吉であろう。天賦の才である可愛げは備わっていないにしても、「律儀さ」は真似できる資質であろう。マメに訪問する、手紙を書く、食事に誘う、御礼を必ずするなどは少しの努力と時間のかけ方でいかようにもできる。

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2014年8月24日 (日)

リーダー論①

世の中に「リーダーシップ」についての本は数々あれど、どれも考え方がまとまっているわけではない。むしろ、リーダーのスタイルは千差万別である。しかし、リーダー学は自分がリーダーになったときに学ぶのでは時、すでに遅いのである。ここがリーダー育成やリーダー論の難しさである。30代、40代から「リーダーとは」を問い、突き詰めていく癖を養成しておくことが重要なのである。

1.      言葉の重み:「言葉の杖」

「悲観は気分、楽観は意志」

「経営は人の掛け算なり」

決断は複眼で

「節」を自覚しろ

リーダーは言葉に敏感であるべきである。言葉は世相を鋭く切り取る、そして時代のトレンドを示す。感性も大切だが、それを表現する言葉がなければならない。

昨今の経営者は言葉への執着が浅い、本質を捉えきれていない。一言で自社、自分、社員をどう表現するのか?

自分が不安なとき、悩んだとき、座右の銘があるのとないのでは、軸のブレが違う。

哲学→信念→言葉

至言を持つ

始めに言葉ありき

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2014年8月23日 (土)

丹波實が語る北方領土問題

1.1951年のサンフランシスコ平和条約で日本が放棄した「千島列島」には4島は入っていない(1855年日露通好条約、1875年樺太千島交換条約)。

2.ソ連はサンフランシスコ平和条約に署名せず、従って、別途、日本はソ連と1955、56年の2年間かけて、平和条約の交渉をしたが、ソ連は返還を認めず、このために、平和条約の交渉を継続することを明文化した上で、共同宣言という文章で戦争状態を終了させた。これが1956年の日ソ共同宣言である。その後、日本は一貫して4島の問題が日露の懸案であるとして要求してきたが、ソ連時代には、一貫してソ連側は、日ソ間にはそのような懸案はないとの立場を取り続けた(なお、上記の56年の共同宣言には、平和条約の締結の際には、歯舞、色丹は日本に引き渡すと書かれていた。従って、問題は国後、択捉のことである)。

3.1991年ゴルバチョフが訪日した時に、海部総理と何回にも亘る10時間以上の交渉の末、共同声明の中で、4島の名前をはっきり書いて、これが日ソ間の領土問題の懸案であると認めた。しかし、どのように解決するかについては、何らかの方向性も示されず、これがゴルバチョフの限界であった。

4.1991年、ソ連が崩壊してエリツインがロシアの大統領になり、93年10月に訪日した時、エリツインは、4島の帰属問題を歴史的、法的事実、法と正義などに基づき解決するとの共同声明に署名した。これは誠に歴史的な文章であった。

5.この後、橋本政権になって、97年11月、有名なクラスノヤルスク会談で、橋本/エリツイン間で、東京宣言に基づき2000年までに領土問題を解決するために真剣な交渉をするとの合意が達成された。

6.更に、98年4月には、これも有名な川奈会談が両者の間でおこなわれ、橋本総理より、「若しロシアが平和条約の中で日本の4島の主権を認めると明記するのであれば、別途合意するまでの当分の間、ロシアの4島の統治を認める」との趣旨のいわゆる「川奈提案」を行った。エリツインは大変に乗り気であった。

7.しかし、エリツインの健康問題、橋本総理の退陣などがあり、90年時代がここで事実上終わり、プーチンの時代となる。プーチンは2000年9月の訪日で東京宣言を有効だとしながら、01年3月のイルクーツク声明では、東京宣言と1956年の日ソ共同宣言の有効性に同意はしたものの、その後「日本が問題にしている4島に対する主権はロシアにある。このことは国際法的に確定しており、第二次世界大戦の結果であって、交渉の余地はない」(05年9月)と宣言した。このような路線はメドベージェフ時代も続く。その間、日本では2島返還論、面積折半論、元外務次官谷内正太郎の3.5島論が出る。日本の中がガタガタであるとの印象をロシアに与えた。

8.2010年11月にこれまでのソ連・ロシアのトップとして始めてメドベージェフが北方領土を訪問した。その前の、9月の末にメドベージェフは北京へ飛んで、胡錦濤との間で、対日戦勝を記念する共同声明を発出し、領土問題での相互支持をも約した。ロシアがこのような強硬な態度を取り出した一つの理由は、民主党政権が対米関係をおかしくしたために、中国、韓国、その他の国々が日本に強気に出ているのをロシアがじっと見ていたからである(問題は民主党のみにある訳ではない。自民党政権下でも、麻生外相が06年に衆議院外務委員会で前原議員に面積折半論についての考え方を質された時、明確にこれを否定せず、あたかも受け入れが全く不可能ではないとの印象を与え、また同人が総理の時に、09年2月サハリンでメドべージェフと会談の後、日本人記者団に「政治的妥協論」を述べたこともある)。

9.今やロシアは「平和条約的不要論」を言っている。これは、要するには平和条約がなくても日露関係は発展している、というものである。しかし、このロシア側の主張は、上記で触れた56年日ソ共同宣言が、平和条約の交渉の継続を明文で規定していることからして、国際約束違反である。また、最近ロシアは「敵国条項」をしきりに、しかも堂々と持ち出している。国連憲章には日独伊などを対象に安全保障面で差別化する「旧敵国条項」があり、107条が有名だ。107条は「第二次大戦の結果としてとる行動の範囲内」なら旧敵国に特別のことができる、とする時代錯誤的な条項である。日本やドイツが時代錯誤的条項として削除を要求し、95年12月に国連総会で、これらの条項は「もはや時代遅れである」とする決議がロシア、中国を含む全会一致で採択された。ところがロシアは、今は北方領土不法占拠の論拠にこの「敵国条項」まで持ち出して実効支配の正当化に励む。もっとも、ロシアは以前からこの条項に言及することはあった。しかし近年ほどの、ここまで厚顔な猛々しい押し出しはしなかった。

10. 北方領土問題でロシアがゴリ押しを続けるなら、日本も意地悪く返してもいい。サンフランシスコ平和条約で日本が放棄させられた千島・南樺太について、そのロシア支配は国際法上に根拠がない。まずこのことをロシアに指摘することについて日本国内で議論を始めてもいいのではないか。日本の放棄がロシア帰属の意味とはサンフランシスコ条約には書いていない。第一、ロシア(当時はソ連)はあの条約に署名もしていない。

11.さらに4島における共同経済活動の問題もある。共同経済活動という怪しげな動きが憂慮される。10年11月のAPEC(アジア太平洋経済協力)は横浜で開かれた。この際の日露首脳会議でロシア側から提起された。この問題は新しいことではない。まだソ連時代の1991年4月、ゴルバチョフ大統領の訪日の折にソ連側の高いレベルから提起されたのが最初ではなかったか。その後若干の変遷を経て、98年11月の小渕恵三総理の訪露の際に「国境画定委員会」とともに「協同経済活動委員会」が作られた。しかし、どちらの委員会もあまり成果のある活動はできず結局休民状態になって今日に至っている。最近のロシアの動きも、この古証文にアイロンをかけて出直した変化球そのものだ。
 ロシアが4島での共同経済活動という時は、ロシアの管轄権を当然の前提としている。この点はラブロフ外相が「ロシアの法律の下で行われる」と何度も明言しており、この問題には中間的なことはあり得ない。昨年12月のハワイでのAPEC首脳会議の際に行われた日露首脳会談の直前にメドベージェフ大統領はハバロフスクでの地元記者団との会見の時に「北方領土での日本との共同活動条件作りを今すぐ行う用意がある」と語っており、ロシア側は今後ともあらゆる機会、あらゆるレベルでの会談で、この問題を取り上げてくるものと予想される。日本側は絶対この提案に乗ってはならない。それは上記のラブロフ外相の発言で明らかであり、中間的なものなどは出て来はしない。

12.今年の31日、プーチンは、4日の大統領選挙の前に、外国人記者とのインタ

ビュをした時に、その中にいた朝日の若宮啓文主筆に対し、自分が大統領に復帰した場合に、日露間の領土問題を2島の引き渡しで決着させようと示唆したが、若宮氏は、このインタビュウの中で、2度にわたり、2島だけでは「日露間の引き分け」(プーチン)にはならないと反論した。また、31日付朝日新聞の論説の中で、「北方領土問題、プーチン氏意欲、ボタンかけ直す時だ」との論説を載せ、ここでも「2島では引き分けにならない」とプーチンが示唆した「2島で決着論」に賛成しなかったことを紹介し、4島でボタンをかけ直すことを論じるとともに、同時に、「プーチンに過大な期待を持つことは禁物だとも言っている。

日本には、2島返還論、2プラスα論、3島論、35島論、面積折半論などが並んでおり、まるでバナナのたたき売りのようである。国家にとって一番重要なのは、領土、領海、領空の主権であって、これについて可笑しな妥協をすれば、世界の笑いものになる。こんなことをしていれば、そのうち中国や台湾が実は沖縄も元は中国のものと言い出すのを恐れる。現に714日に日本のある新聞が現職の中国の軍の高官が「沖縄はかって中国の属国であった」と発言したと報じている。

日露首脳会談が6月メキシコで行われたが、ここで「始め!」の号令がかかったのかが

ハッキリしない。日本側は、両首脳間で「日露平和条約交渉の再活性化」に合意したと発表したが、実はそのような言葉が会談では使われていなかったことが後日分かった。何か前進があったように見せかける日本のケチな外交スタイルにウンザリするのみ。この会談後の7月の初め、メドベージェフ首相が国後を訪問した(2010年は大統領として、今度は首相として。勿論プーチンとは打ち合わせ済みの筈。本当は択捉に行くはずであったが、天候の都合で、再び国後に行ったと言われる。いずれにしても、国後、択捉を日本に諦めろとの強いシグナルを送ることが目的)。この国後訪問の時のロシア人記者の「日本の反応をどう見るか」との問いに対するメドベージェフの口汚い、そんな質問に答えること自体が時間の無駄使いだと言ったような言葉は酷すぎる。

 上記のような問題に加え、8月中旬には韓国の大統領が竹島を訪問するという事件と、香港民間活動家が尖閣に強行上陸する事件が相次いで起きた。韓国の大統領が竹島を訪問するなどの事は今までなかったことで、日本でも相当の事件として報道された。中国では彼らの行動を支持する報道が相次いだ。ロシアの北方領土に対する強硬な態度とも合わせてみると、日米関係が鳩山政権によって滅茶苦茶になり、今日に至るも関係が修復しておらず、また民主党の政権も弱体で、また、最近数年間の日本を観察すれば、日本は領土問題では弱い国というイメージが周辺国に出来て、露・中・韓が今や日本を領土問題で追い詰める大きなチャンスと考えているとしても、驚きではないと考えられる。

13.最後に一言だけ加えたい。150年くらい前にイギリスにパーマストンという有名な政治家がいて、彼は外務大臣をやり首相も2回やった人物。彼が死ぬ前に残した有名な言葉が「この世に永遠な友好国はない、永遠な敵国もない、唯一永遠なのは自国の利益」。彼は何を言をうとしたのか。

彼が言おうとしていたのは、国際情勢は動くと言うことだ。北方領土問題を例にとると、今後102030年、否今後50年、ロシアを巡る国際情勢はどうなるか。中露関係を一つとっても、どうなるか分からない。ロシアにとってかって最大の武器のマーケットは中国であったが、09年、10年、前年比で40%、47%減り、今や一番のマーケットはインドになった。極東の人口を取れば、かつて800万いたロシア人は600万に減少し、今や100万の中国人が極東に住んでいると言われる。中国の経済はこれからも成長が期待され、これに対してロシアの経済の近代化の先は暗い。ロシアはいずれ中国にとってジュニアパートナーでしかなくなる時代が来るかもしれない。その時ロシアは初めて日本の重要性に本当に気が付く。可笑しな妥協をして世界の笑いものになるよりは、ここはじっくりと腰を落ちつけることが重要。今は我慢と忍耐の時期だ。 

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2014年8月22日 (金)

怖い話

BIS論壇 No.124「米国家安全保障局(NSA)の産業スパイ活動問題」201485

                                 中川 十郎 

  NSAによる個人情報収集活動を暴露し、ロシアに亡命中の米中央情報局(CIA)元職員スノーデン容疑者は126日夜、ドイツ公共放送ARDが放送したインタビューでNSAは米国家安全保障上の目的だけでなく、競争が激化するグローバルビジネス戦争で産業スパイとしても活動していると証言し、NSAがビジネスインテリジェンスなど経済情報も収集しており、米国が外国の企業に対してもスパイ活動をしていることは間違いないと断言したという。また「メルケル独首相の携帯電話だけでなく彼女の側近や大臣を監視していないとは考えにくい」と指摘し、多くの人物の携帯が盗聴されていたとの考えを示した。

127日、日経夕刊、128日、朝日新聞)131日付け日経によれば、クラッパー米国家情報長官は29日の上院情報特別委員会での証言でCIAスノーデン元職員に「米国の安全をさらに損なうのを防ぐために、まだ暴露していない盗んだ文書の残りを返還するように要求した」という。暴露によってテロリストらが米政府の情報源や情報収集の方法、技術を研究し、情報機関の活動は非常に困難になっていると批判。すでにテロリストなど敵側の通信の仕方に変化が見え始めており、「米国と米国民は以前に比べて安全でなくなった」と警告した。スノーデン氏は「NSAの機密情報はすでに自分の手元にはなく、すべて特定のジャーナリストに提供した。何を報じるかは関知していない」と説明したという。

そもそも悪名高い米スパイ組織、NSAが中心となり、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのアングロサクソン5か国は第2次大戦後の早い時期から、通信盗聴システムECHELON(梯子の隠語)を活用し、地球規模の盗聴を行い、世界中の音声通信、ファックス、電子メール、最近は携帯電話、スマホなどを盗聴、分析、活用している。エシュロンは市民のプライバシーの侵害、私的通信の傍受、盗聴という人権上も深刻な事態を引き起こし、欧州議会はエシュロン傍受システム調査委員会を設立。2001518日に調査結果を発表。国際経済情報戦の実態を暴露し、世界に衝撃を与えた。傍受、盗聴の疑いのある基地は世界中に20か所あり、なんと日本の青森県・三沢米軍基地も傍受、盗聴基地に含まれていることだ。世界の諜報機関は冷戦終結後、経済分野の覇権をめざし、情報収集のターゲットを軍事情報から経済、技術分野に移し、世界では熾烈な経済情報戦が始まっていることを認識すべきだ。上記欧州議会の報告書では90年代に国際ビジネス分野で、主要な28の傍聴、盗聴例を取り上げて、注意を喚起している。日本関係では96年に米国製乗用車の対日クオータ交渉に際し、CIAが当時の通産省のコンピューターに侵入し、情報を当時の米通商代表ミッキー・カンターに流したケースや、日本製高級車の排ガス規制の情報を傍受するなど米国が情報を不正に入手したというダンカン・キャンベル氏の調査結果を公表している。このように日本の交渉情報は裸にされており、おそらくTPP交渉情報も米側に筒抜けになっていると思われる。

日本の政府、企業は今後、重要な外交交渉や国際ビジネス交渉においては暗号を使うなど徹底した機密保全に万全の態勢を固めることが肝要であることを銘記すべきである。

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2014年8月19日 (火)

怖い盗聴

「米国諜報機関の情報不正入手問題」

      201485日         中川 十郎

2013613日にBIS論壇No.115にてNSA(国家安全保障局)を中心とする米国諜報機関が市民や企業、政府の通話記録やインターネット上の情報を秘密裏に不正に収集していたことを元CIA(米中央情報局)勤務のエドワード・スノーデン氏が暴露し、世界的に大問題となっている。

その後も米諜報機関の個人情報や機密情報の不正な収集は一向に収まっていないことが国際的にも問題になっている。第二次大戦直後の1949年に設置された米安全保障局(NSA)は特に2001年の米同時多発テロの後、テロ防止を名目に個人の情報の収集を積極化し、通信傍受を公然と行うようになった。

スノーデン氏の勇気ある暴露により、NSAは日本、韓国、トルコ、インド、フランスや中東諸国など38の大使館や代表部の通信も盗聴、傍受していたことも判明している。

NSA職員が外交官として国連本部に駐在し、国連本部のコンピューターネットワークに侵入し、情報を収集していたことも問題になっている。さらにNSAは欧州連合(EU)の電話やメールなどの通信を盗聴。ワシントン代表部やニューヨークの国連代表部に小型盗聴器を設置。通信の不法な盗聴をしていたことも判明している。(朝日新聞20131025)

2次世界大戦中の43年には米国と英国が情報協力協定を締結。これに関連し、戦後の1948年にはUKUSA協定を締結。さらにアングロサクソン系の英国、米国、カナダ、豪州、ニュージーランドの5か国が参加し、悪名高いECHELON(「はしご」の隠語)で地球規模の通信傍受体制を構築し、世界中の情報通信の傍受、盗聴を行っている。

このECHELONシステムは軍事機密の傍聴のみならず経済情報、ビジネスインテリジェンス交信も傍聴、盗聴しているとして、欧州議会でも問題となり、欧州議会が調査結果を公表し、国家機密の謎に包まれていた世界最大の傍聴、盗聴組織ECHELONの存在を正式に確認し、世界に衝撃を与えた。

この報告書では1996年の米国製乗用車の対日クオータ交渉に際し、CIAが当時の通産省のコンピューターシステムに侵入し、米通商代表ミッキー・カンターに流したケース、日本製高級車の排ガス規制情報を傍受、盗聴したケースなど米国が通商交渉でも日本側の情報を不正に入手したというダンカン・キャンベル氏の調査結果を公表し、内外に衝撃を与えた。これに対し、日本政府が米国に抗議したという話は聞いたことがない。米国に気兼ねし過ぎである。

これと対照的なのは米諜報機関がドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴していた問題で102425日開催のEU首脳会議は米国に盗聴の実態の説明と真相究明を要求することを決定した。2001年の米同時テロ後、情報収集の規制が弱くなり、特にNSAが通信傍受、盗聴で地球規模で際限ない諜報活動をしていることは倫理上も問題だ。他国の領土を勝手に無人機で攻撃している問題や、裁判も行わず、テロ容疑者だとしてアラブ人をキューバのガンタナモ基地に不当に10年以上も幽閉しているのは人権を声高に唱えている米国のダブル・スタンダードではないか。

目下、日本では安倍政権がこれらの問題を抱える米国のNSC(国家安全保障会議)を真似して日本版NSC創設の国会提出を決定した。上記通り、米国諜報機関は倫理上も人権上も問題があることを十分認識したうえで、国会は慎重な審議をすることが切望される。日本のNSC法案は国民の「知る権利」の阻害も懸念されている。これは憲法に抵触するとも言われている安倍政権の集団的自衛権問題とも一脈通じるものがある。

さらに安倍政権が米国の片棒を担いで推進中のTPP交渉においても上記米国のNSACIAの傍聴、盗聴で、交渉内容の訓電や交渉条件はすべて米国側に筒抜けになる危険性があることを十分認識し、暗号を使うなりして、交渉条件の守秘に万全の対策をとることが要請される。しかし日本政府や役所のパソコンやEMailは米国のマイクロソフトなどのOSを使っており、E-Mailや携帯での交信はすべて米国に筒抜けになっていることをどれほど認識しているか情報音痴の日本政府の対応は甚だ心もとない次第だ。

「通商交渉は情報戦争」でもあることを安倍政権やTPP交渉官は肝に銘ずべきである。

詳細については添付の弊論「米国諜報機関の情報収集問題」を参照願いたい。

(筆者は名古屋市立大学22世紀研究所特任教授、日本ビジネスインテリジェンス協会会長)

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2014年8月 5日 (火)

私の政治論

日本政治の見方、考え方Ⅰ

混迷を深める日本政治。リーダー不在、ビジョンの欠如といわれて久しいが、政治を理解する上で歴史的に自民党を俯瞰してみよう。

戦後すぐは、2大巨頭政治だった。吉田茂VS鳩山一郎

吉田は人材育成に勤しみ、吉田学校と呼ばれた。

吉田茂の政策

1.      サンフランシスコ講和条約

2.      警察予備隊設立

3.      日米安保

経済優先、軍事はアメリカ頼み。

吉田茂→池田勇人→佐藤栄作→田中角栄→竹下登(経世会)…

による総理の座のバトンタッチ。他にも前尾繁三郎、橋本龍伍、福永健司、橋本登美三郎、田中角栄、愛知揆一、保利茂など多士済済。吉田は、党人政治家に対しては不信感をいだいた。なぜなら軍部に屈して、戦争を導いたから。そこで学校の生徒はほとんどが官僚とメディア出身者が占める。ここから日本の政治の「官僚化」が始まる。

鳩山一郎は対米路線の吉田を批判、ソ連との国交回復を目指す。

政策

1.      日ソ国交回復

2.      シベリア抑留問題

3.      サケ・マス問題

4.      自主憲法制定

鳩山は自民党初代総裁で、幹事長は子飼いの岸信介。日本民主党と自由党が一緒になる。いわゆる保守合同の立役者で、ここから政治が妥協の産物と化す。

鳩山→石橋湛山→岸信介→福田赳夫(清和会)→安倍→三塚→森

河野一郎→中曽根→宇野→渡辺→山崎(近未来政治研究会)、伊吹(志水会)

鳩山の流れを汲む者は反主流、本流へのアンチテーゼになった。この対立関係が自民党政治のダイナミズムの源泉である。

幹事長の役割

幹事長は実質的な自民党のトップであり、金、選挙、人事の権限を掌握している。歴代幹事長は、岸信介から始まり、三木、川島、福田、田中、中曽根、大平、二階堂、竹下、橋本、小渕、加藤など実力者が就任。

しかし、昨今の幹事長人事は小粒になり影響力が低下。なぜか?

原因として

1.      党との緊張関係の欠如

2.      総理の「子飼い」になってしまった

3.      政府・与党の一体化

が挙げられる。

派閥について

吉田派→佐藤派と池田派(宏池会)→田中派→竹下派(経世会):ここは運輸、建設、郵政の利権政治の温床。公共事業と特定郵便局が集票マシン。

鳩山→岸→福田(清和会)財務省中心の派閥。増税、財政再建、親米派

河野→中曽根→宇野→山崎 防衛族、自主憲法制定

池田(宏池会)→前尾→大平→鈴木→宮澤(親アジア)

伊吹派 タカ派

山崎派(渡辺派より分離) タカ派で自主憲法制定

問題点

切磋琢磨が全くない

人気取りで総理を選んで失敗

総理を目指せないような人間が領袖を務めている

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2014年8月 4日 (月)

金利の基礎知識

金利とは何か?

「金利は、お金を借りるときの使用料」と定義できる。

お金の需要が高いとき:金利上昇

お金の需要の低いとき:金利低下

金利は価格の中で最も変動が激しいものである。

どのような影響があるかを考えてみよう。

1.金利の種類

貸し出し金利

銀行が個人、企業に貸し出すときの金利

預金金利

お金を預けることでもらえる金利

銀行間金利

日本:コールレート

アメリカ:FFレート

金融機関同士でお金の融通をつける金利

これは中央銀行がコントロールできる唯一の市場金利

公定歩合

中央銀行が金融機関に貸すときの金利

2.名目金利VS実質金利

   名目は紙上で書かれている金利

   実質は実質的な負担を表す

   インフレ、デフレでどう変わる?

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